2008年12月30日(火)「しんぶん赤旗」
非正規65人 直接雇用へ
1年半のたたかい実る
韓国「コスコム争議」
韓国証券先物取引所の子会社コスコム(旧・韓国証券電算)の非正規労働者が、直接雇用を求めていた「コスコム争議」で二十九日、非正規労働者六十五人を同社が直接雇用することで労使が合意しました。昨年五月に労働者が労組を結成し、ストライキに突入して以来、一年七カ月ぶりに解決しました。
同社は、証券取引を仲介する電算システムを開発する会社。非正規労働者は、同社の下請け企業と契約し、開発や維持管理業務に従事してきました。
正社員とほぼ同一の業務に従事しながら、年収では正社員の九千二百万ウォン(約六百四十万円)に対し、非正規職は千八百万ウォン(約百三十万円)と、大きな格差がありました。
昨年五月、同社は別の下請会社と契約を締結し、非正規労働者に転籍を要求。転籍を拒否した労働者らは、事務金融労連コスコム非正規職支部を結成し、証券取引所前で座り込むなど、長期のたたかいを続けてきました。
二十九日に労使が調印した合意文書によると、同社は、組合員七十六人のうち、六十五人を直接雇用。残る十一人についても、経営状況を踏まえ、別途協議するとしています。
コスコム非正規支部のファン・ヨンス支部長は「組合を結成した時から勝てるという確信があった。残る十一人の同志についても、最後まで行動をともにする」と語りました。
韓国では、昨年七月、勤続期間が二年を越えた非正規職を「期限の定めのない契約」職に転換する非正規職保護法が施行されました。同法の適用を嫌った雇用主が、施行前に、非正規労働者を大量に解雇、転籍させる事例が相次ぎました。
コスコム争議は、小売業イーランドでの争議などとあわせ、韓国の非正規職をめぐる代表的な争議とされます。(中村圭吾)