2008年12月29日(月)「しんぶん赤旗」
アルメニア人「虐殺」 トルコで大論争
学者・作家が「謝罪」
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第一次大戦中に起きたオスマン帝国末期のトルコによるアルメニア人殺害事件をめぐってトルコの学者、作家らがインターネット上に「謝罪」を表明する公開書簡を発表、賛同署名はすでに二万人を超えています。
アルメニア人はオスマン帝国のなかで少数民族として迫害を受け、特に第一次大戦中の一九一五年から一六年にかけての強制移住では、多くの人々が犠牲となりました。欧州の歴史家はこれを「アルメニア人虐殺(ジェノサイド)」と呼んでいます。しかしトルコ側は公式にはこれを認めず、アルメニアに対しては合同調査委員会の設置を提案しています。
書簡が今月上旬に公開されると大きな反響が起こりました。九月にアルメニアを訪問、同国との和解を進めているギュル大統領は、この運動を「トルコの民主主義が健全な証拠だ」と称賛しました。
しかし、エルドアン首相は十八日、「この運動はトルコの最も深刻なタブーに触れ、混乱を招き平和を乱すだけで、何も利さない」と批判しました。
公開書簡は、「虐殺」の言葉を避けつつ、「オスマン時代のアルメニア人が被った大災害はなかった」という見解を受け入れることはできないと指摘。「アルメニアの同胞の感情と痛みを共有する」とする簡潔なものとなっています。
この事件はトルコにとって歴史的に複雑な問題となっています。二〇〇六年にノーベル文学賞を受賞したオルハン・パムク氏は、〇五年の外国メディアとのインタビューで、政府は一五年の事件を「虐殺」と認めるべきだと発言。同氏が一時「国家侮辱罪」で起訴されたことは、同国の欧州連合(EU)加盟交渉にかかわる人権問題にもなりました。