2008年12月27日(土)「しんぶん赤旗」

“特定の集団に奉仕”

英枢機卿 資本主義の現状批判


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 【ロンドン=岡崎衆史】英イングランド、ウェールズのカトリック教会のトップに当たるコーマック・マーフィーオコナー・ウェストミンスター大司教(枢機卿)は二十五日のクリスマスミサで、投機家など特定集団の利益に奉仕する現在の資本主義のあり方を批判し、公益や道徳を重視するよう訴えました。

 大司教は、キリスト教は市場経済を賛美も批判もしないとしながらも、「市場を動かす人々は、特定の集団の利益ではなく、公益を促進するために行動する義務がある。市場経済は道徳的な目的が根本にある場合にのみ正しく動く」と発言。投機家など一部の利益に奉仕する資本主義の現状を批判し、その変革を求めました。

 同大司教はまた、金融危機について「この国の恐らく数百万の人々が金融機関に裏切られたと感じている。人々は自らとその家族の未来を心から心配している」と指摘。金融機関による無責任な行動に人々が失望するとともに、金融・経済への不安から未来への希望も持てない状況に追い込まれていると懸念しました。

 ウェストミンスター大司教は、イングランド、ウェールズのカトリック司教会議の議長を兼ね、両地域のカトリック司教の事実上の最高位となっています。


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