2008年12月22日(月)「しんぶん赤旗」

輸入米 半分以上カビ混入

本紙調査 今年43件、10月以降25件


 輸入米はカビだらけ。猛毒のカビ毒(アフラトキシン)汚染も――検疫所の検査を通過し国内に入っている加工食品用の輸入米(ミニマムアクセス米の一種)から、十月以降、「カビ状の異物」の発見が相次いでいることが、本紙の調べで二十一日までにわかりました。

 農水省資料によると、今年一月以降に、加工食品用の輸入米から「カビ状の異物」を四十三件発見しています。販売先の国内業者の報告などにより判明したとしています。うち、二十五件が十月以降に集中しています。(グラフ)

 十九日に、タイ産米の「カビ状の異物」(今年十月二十二日発見分)からカビ毒が検出されたことを発表した農水省は、十二月の発見件数を「二十一件(十八日現在)」としました。

 今後、この間発見された「カビ状の異物」から、さらにカビ毒が検出される可能性が高まっています。

 「カビ状の異物」が発見されると、同一の船で輸入され国内業者にまだ販売していない分の移動が凍結され、カビ毒の検査が実施されます。十月以降、十三万七千七十九トンの政府保有が凍結されています。

 しかし、「カビ状の異物」が発見される前に業者に販売された分が七万五千トン余(輸入量から政府保有量を差し引いた量)あります。その一部は、あられや焼酎などの加工食品として、すでに消費者の口に入っているおそれがあります。

 政府は毎年約五十八万精米トンの加工食品用のミニマムアクセス米を輸入。「カビ混入輸入米」(輸入量)は、今年一月からの累計で三十一万精米トンを超えています。半分以上がカビ混入輸入米ということになります。

グラフ


 加工食品用の輸入米 政府が加工食品(みそ、焼酎、せんべいなど)用として、輸入・販売するミニマムアクセス米のこと。政府が輸入商社から購入し、政府倉庫等に保管したあと国内業者に販売します。主食用としては、売買同時入札(SBS)で輸入商社から購入し、同時に国内業者に販売するミニマムアクセス米があります。ミニマムアクセス米とは、WTO(世界貿易機関)協定上、コメ輸入の機会を提供する量的枠のことで、輸入義務はありません。



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