2008年12月21日(日)「しんぶん赤旗」
裏金疑惑の西松建設 関連政治団体
政界に4億2000万円 森・二階・小沢氏ら
準大手ゼネコン「西松建設」(本社・東京都港区)の関係者が設立した政治団体が十年以上にわたって、政界に四億円を超すカネをばらまいていたことが二十日、本紙の調べで明らかになりました。同社元幹部が海外事業でねん出した多額の裏金の一部を横領したとして業務上横領罪で九日に起訴されましたが、捜査の行方も注目されます。
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問題の政治団体は「新政治問題研究会」。故橋本龍太郎元首相の資金管理団体と同じ名前です。一九九五年十一月一日に西松建設の営業管理部長が退職と同時に設立し、代表者に就任。二〇〇六年十二月十五日に解散しました。会計責任者は、同社の元非常勤監査役が務めていました。
政治資金収支報告書によると、同研究会は、九五―〇六年の十二年間に、「渉外費」名目で、政治家や自民党派閥などの政治資金集めのパーティー券を購入しているほか、政党、政治家への「寄付金」で、あわせて四億二千万円以上を政界にばらまいています。
同報告書の原本保存期間は三年のため、総務省で閲覧でき、資金提供を受けた政治家などがわかったのは、〇五年と〇六年の二年分のみです。
これによると、自民党は、二階俊博経済産業相が率いる「二階グループ」に四百六十六万円、二階氏に二十万円、藤井孝男元運輸相三百六十万円、森喜朗元首相、尾身幸次元財務相に各二百万円、林幹雄前国家公安委員長百万円など。
民主党も、小沢一郎代表一千万円、同党岩手県連三百万円。
広瀬勝貞大分県知事、石川嘉延静岡県知事各五十万円、矢田立郎神戸市長三十万円、阪口善雄大阪府吹田市長七十万円など、自治体首長も。
このように幅広く、政界にばらまいた原資は、年間三千万―八千二百万円におよぶ会費と、「新世紀政経懇談会」という名目で年三回開催した政治資金集めのパーティーです。
しかし、会費を払った会員数が、千四百十人という年(九六年)もあれば、十三人しかいない年(〇六年)があるなど、不自然さも。毎年六百万円前後の収入があったとしているパーティー券も誰が購入したかは、いっさい不明です。
西松建設の裏金が問題になっているだけに、この政治団体の不明朗な資金の流れも解明が求められています。
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