2008年12月21日(日)「しんぶん赤旗」
チェコ下院
アフガン派兵延長否決
対テロ戦争反対の世論受け
プラハからの報道によると、チェコ下院(定数二百)は十九日、政府が提案したアフガニスタン派兵延長・拡大の提案を否決しました。承認に必要な過半数の賛成票が得られなかったためです。「対テロ戦争」への参加に反対する世論に押された形となりました。
チェコでは米国の「対テロ戦争」参加のための海外派兵やミサイル防衛(MD)のレーダー基地設置には一貫して世論の多数が反対しています。
チェコは現在、北大西洋条約機構(NATO)軍主導のアフガンの国際治安支援部隊(ISAF)に四百十五人、米国の「不朽の自由」作戦に精鋭百人を派兵。政府提案は現チェコ部隊の派兵延長に加え、新たにISAFに二百人増派するというものでした。
下院の否決を受けて、トポラネク首相は、政府権限でアフガン派遣部隊の駐留を六十日延期するとともに、その間に妥協案を提出し、下院で再審議をする方針を固めました。
アフガンへの派兵・増派への懸念はチェコばかりでなく欧州全体に広まっています。二十日付の国際英字紙インターナショナル・ヘラルド・トリビューンによると、今年七月から九月に行われた世論調査で、欧州二十三カ国中二十二カ国で過半数の人が米国の「対テロ戦争」がアルカイダを逆に強化していると懸念を示しました。