2008年12月21日(日)「しんぶん赤旗」
景気・雇用 抜本策なし
予算財務原案 11年消費増税にらむ
麻生自民・公明内閣のもとで初めて編成された二〇〇九年度予算財務省原案が二十日、臨時閣議で各省庁に内示されました。〇八年度第二次補正予算案も同閣議で決めました。「雇用対策」が景気対策の目玉とされていますが、雇用悪化の“事後処理”が中心。「非正規社員切り」を競い合う大企業の姿勢を正すものにはなっていません。日本共産党の市田忠義書記局長は同日、談話を発表し、「国民の苦しみや不安を打開する実効ある対策が示されていない」と批判しました。
〇九年度予算財務省原案は、国の予算の規模を示す一般会計の総額が八十八兆五千四百八十億円(対〇八年度当初予算比6・6%増)となり、過去最大規模となりました。
景気悪化に伴って税収は大幅に減少。新規国債の発行額は、同31・3%増の三十三兆二千九百四十億円となりました。公債依存度は37・6%。
政策の実行に充てる一般歳出は同9・4%増の五十一兆七千三百十億円と初めて五十兆円を突破。社会保障関係費の伸びを二千二百億円抑制する小泉内閣以来の方針を「維持」するため、年金特別会計の基金取り崩しなど一時的な財源確保で帳尻をあわせようとしています。一方、大企業応援策や米軍再編本格化に伴う予算を盛り込むなど、大企業やアメリカに顔が向いた予算案となっています。また、財政赤字などを強調することで、二〇一一年度から消費税増税を実施しようとしており、「景気対策」とは逆行しています。
原案内示を受け、麻生太郎首相が決める重要課題推進枠(三千三百億円)の配分をめぐる調整に移ります。政府は二十四日に予算案を閣議決定。来年の通常国会に提出します。
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