2008年12月19日(金)「しんぶん赤旗」

英のアフガン駐留

世論7割「撤退」支持

戦略見直し 野党が迫る


 【ロンドン=岡崎衆史】米国に次ぐ第二のアフガニスタン派兵国の英国で、終わりの見えない軍駐留に危機感が強まっています。英国では、イラクと異なり、アフガンへの派兵については与野党や主要メディアが賛成してきました。しかし、英兵犠牲者が増え続ける中、状況に変化がでています。

 「(武装勢力の)タリバン軍は(首都)カブールに進出しつつあり、道路網の安全は脅かされている。彼らの数は増え、装備は向上している。現実的な目標が必要なのではないのか」。十五日午後の英下院本会議で野党第一党、保守党のキャメロン党首は現状への懸念を示し、政府の戦略の見直しを迫りました。ブラウン英首相は質問の直前、現在八千人のアフガン駐留英軍を来年三月から八月までの間八千三百人に増員すると表明していました。

 英紙ガーディアンは翌十六日の社説で、「英国は(アフガンで)行き詰まりに直面している」と指摘。「関与は限定的でなければならない。アフガン戦争の失敗の可能性は大きい」と政府の見通しの甘さを批判しました。

 二〇〇一年十月のアフガン戦争開始以来、アフガンで死亡した英兵の数は百三十三人(十六日現在)。年間死者は今年が最も多く、すでに四十七人に達しました。BBC放送が十一月半ばに発表した英国民を対象にした世論調査によると、68%の回答者が一年以内の撤退を支持しています。

 英兵の犠牲増で撤退を求める世論はさらに強まる様相です。タイムズ紙十六日付は、「政府は、世論が軍事活動への反対に変わるのを恐れている」と指摘しました。


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