2008年12月19日(金)「しんぶん赤旗」

ILO・ユネスコ 調査受け勧告

日本の教員政策 改めよ


 国際基準である国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「教員の地位に関する勧告」が守られていないとして四月に訪日調査をした国際労働機関(ILO)とユネスコの共同専門家委員会(CEART)の報告がILO理事会で承認され、全教(全日本教職員組合)や日教組にこのほど送付されました。政府と地方教育委員会に対し、具体的な改善内容を勧告しています。

 CEARTは、「指導力不足」と認定した教員を教壇から排除していく政策や賃金と結びつけた教員評価制度が勧告と合致しないとして三次にわたって日本政府に勧告。改善がみられないことから、訪日調査に踏み切りました。

 報告では、「指導力不足」教員政策への批判を受け止めて改善することや、給与と結びついた評価制度の根本的見直しなどを勧告。政府・教育委員会は教員団体との協議を「形式的」にすませているとし、必要ならば法改正も行って対応するよう求めています。

 全教の東森英男書記長、新堰義昭副委員長らは十七日、東京都内で会見し、調査は文科省も受け入れたものであり、日本の法制度を熟知したうえで勧告しており、勧告を拒むことはできないと指摘。勧告は「日本の教職員組合運動の共有財産」になるものだと強調しました。


 教員の地位に関する勧告 教員の地位や労働条件を教育の専門職にふさわしく保障していこうと、1966年にユネスコの特別政府間会議で全会一致で採択。教育の利益のためにも、教員の雇用の安定や身分保障が不可欠との規定をはじめ、学級規模に至るまで詳細に定めています。



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