2008年12月18日(木)「しんぶん赤旗」

マルクスに世界が注目


ドイツ紙“日本で共産党が人気”

 フィナンシャル・タイムズ・ドイチュラント九日付電子版は世界経済危機が日本に影響する中、マルクスと日本共産党が人気を集めていると報じました。

 記事は、日本では一九九〇年代の経済危機以来、不安定雇用が増大し、今では有期・派遣・パートの労働者が労働者全体の41%を占め、多くの労働者が生きることに不安を持っていると指摘。一方で、欧州と違い「目の粗い」セーフティーネットしかなく、生活保護は労働能力のない人か年金のないお年寄りにしか支給されないなどと記しています。

 「国民の大部分は国家や経済への信頼を失ってしまっている」と分析。「拡大する社会的不公正、不安定雇用の拡大、麻生政権に反対して全国で数千人がデモをするほど怒りは大きくなっている」と描写しています。

 日本では左傾化が進行しているとして、小林多喜二の『蟹工船』が七十万部も売れ、『資本論』のマンガ版もベストセラーになることが間違いないと指摘しています。

 日本共産党に、最近一万人以上が入党し、数十万人が志位和夫委員長の演説をインターネットでダウンロードしていると紹介。「カール・マルクスの『社会的存在は意識を規定する』というテーゼは正しかったようだ」と結んでいます。

アラブ紙“危機の解決の道求め”

 【カイロ=松本眞志】汎アラブ紙アッシャルク・アルアウサトは十五日、「資本主義の崩壊とイスラム金融」と題する論評で、今年十月にドイツで開催された「フランクフルト書籍見本市」で、科学的社会主義の創始者のカール・マルクスの著作が圧倒していたと報じました。

 同紙は、米国発の金融危機で「真に崩壊したのは、規制をともなう国家の干渉を受けない自由市場システムを採用した英米資本主義だ」と論評。「危機は世界中の資本主義の基盤を揺るがしている」と述べ、投機活動を否定して危機をまぬがれたイスラム金融システムの優位性を強調しました。

 一方、イスラム金融システムの研究が世界ですすんでいないことも指摘し、「このことはフランクフルト書籍見本市でイスラム金融システムを解説する著作の欠如にも明確に現れている。今年の書籍市ではカール・マルクスの著作が圧倒していた」と述べています。マルクスの著作が人気を呼んでいる背景について、「人々は危機の原因を理解し、どのようにしたら解決できるのかを求めている」と説明しています。

 フランクフルト書籍見本市は毎年十月半ばに開かれる世界でも規模の大きい書籍市のひとつ。五百年以上の歴史を持ちます。

海外メディアも日本共産党と『蟹工船』に注目
http://www.jcp.or.jp/tokusyu-08/11-media/


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp