2008年12月17日(水)「しんぶん赤旗」
米のイラク・アフガン戦費
最大150兆円にも
民間団体試算
【ワシントン=西村央】ワシントンに本部がある「戦略と予算評価センター」は十五日、イラク、アフガン戦争を中心とする戦費支出が、二〇〇一年から今後予想される一八年までで、最大一兆七千億ドル(約百五十兆円)となるという試算などを内容とする報告書を発表しました。
報告では、〇八年の秋現在で、米軍はイラクに十五万人、アフガンに三万五千人駐留し、これまでの米兵の死者は四千八百人、負傷者は三万三千人に上っていると指摘。これらの軍事作戦のなかで、この二、三年で急速に戦費が増えていることをあげています。
〇一年以降の戦費は、来年前半までですでに九千四十億ドルに上っています。内訳はイラク戦争で六千八百七十億ドル、アフガン戦争で千八百四十億ドル、国土安全保障関係で三百三十億ドルです。
これに議会予算局などの推定を加えた試算では、〇九年から一八年まででさらに、四千百六十億ドルから八千百七十億ドルの幅で戦費が加算されるとしています。これは現在の十八万五千人の駐留軍が、三万人から七万五千人の間に削減した場合の数字です。
この結果、一八年までの戦費合計では一兆二千八百九十億ドルから最大一兆七千二百十億ドルに膨れ上がるとしています。
米国の歴史上の戦争と比較すると、すでに消費したイラク戦費の六千八百七十億ドルだけでも、第二次大戦を除くすべての戦争での戦費を上回っています。
こうした巨額軍事費は、国の経済に重い負担になっていることも指摘しています。
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