2008年12月12日(金)「しんぶん赤旗」
新銀行への過大目標押しつけ
都が事実上認める
小竹都議追及
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東京都は十一日、新銀行東京に対して過大な融資目標や甘い自動審査方式で大赤字を抱える大本となった「新銀行マスタープラン」(二〇〇四年策定)の忠実な実行を経営陣に押しつけていたことを事実上認めました。日本共産党の小竹ひろ子都議が都議会経済・港湾委員会で追及しました。
小竹氏は、都の新銀行設立本部長だった津島隆一氏(現・新銀行代表執行役)ら幹部が新銀行開業前後の〇四―〇五年にかけ、繰り返し新銀行に出張し、事業計画のブリーフィングや打ち合わせをしていたことを指摘。また、新銀行が元行員を相手に起こした訴訟で、事業計画ブリーフィングのメモと、ブリーフィングを録音したCDの返還を求めていることは、新銀行がメモとCDの内容を事実と認めたことにほかならないと強調しました。
党都議団が入手した〇四年十一月のブリーフィングの記録では、都側が「マスタープランと社内目標があまりかい離すると、出資者としては耐えられない」「数値が達成できないようでは困る」などと経営に介入していたことを示し、「乱脈・不正融資がはびこった最大の原因が都の介入にあることは明白だ」と批判しました。
都産業労働局の中村靖金融監理室長は「マスタープランに沿う形で努力するよう要望するのは当然」と介入を事実上認めたものの、事業計画などはあくまで新銀行の自主的判断であるとごまかし、ブリーフィング記録については「現在保有していない」と述べました。