2008年12月12日(金)「しんぶん赤旗」
教科書の内容
改悪教基法と一致要求
検定審 制度改定の報告案
教科書検定審議会(文部科学相の諮問機関)は十一日、検定手続き改善作業部会と教科書改善作業部会の合同会議を開き、検定制度改定についての報告案を審議しました。
報告案は、教科書が、教育基本法に示す「教育の目標」を達成するための主たる教材であることを検定基準の総則に明記し、教科書の内容が同法と一致していることを明確化するとしています。
教科書会社に対して、教科書の内容と教基法の目的・目標との対照を示す書類の提出を求め、「愛国心」育成を目標とした同法にそう教科書づくりを要求しています。
検定手続きの「透明性の向上」については、教科書調査官が作成する調査意見書や審議会の部会・小委員会の審議事項などを事後に公表するとしています。しかし、これらは現在も公表されています。一方で、「情報が検定審査終了前に流出」した場合は審議を一時停止することを明確化するなど、情報管理の強化を図っています。
学習指導要領の範囲を超える「発展的な学習内容」については、「本文以外で記述する」との規定を見直し、分量の制限も撤廃。「教科書に記述されている内容をすべて学習しなければならない」という「従来型の教科書観」を、「個々の児童生徒の理解の程度に応じて指導を充実する」という観点で転換する必要があるとしています。
同審議会は二十五日に最終報告を提出。文科省は検定基準などの改定案を出す予定。
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