2008年12月10日(水)「しんぶん赤旗」
米軍再編費に1000億円
防衛省予算 今年度の5倍要求
防衛省は九日までに、在日米軍の再編経費として二〇〇九年度予算案に約一千億円を計上するよう要求する方針を決め、財務省と事前調整に入りました。〇八年度予算(百九十一億円)の約五倍で、防衛省は軍事費(防衛関係費)とは「別枠」として扱うよう求めています。
約一千億円のうち約四百億―五百億円は、在沖縄米海兵隊の移転を口実にした、グアムでの司令部棟や隊舎の建設費などです。〇八年度予算では調査費(約四億円)が計上されていますが、建設費の計上を要求したのは初めてです。米国領の軍事基地建設費を外国政府が負担する例は過去にありません。
このほか▽普天間基地(沖縄県)に代わるキャンプ・シュワブ沿岸部(同)での新基地建設費▽厚木基地(神奈川県)から岩国基地(山口県)への空母艦載機部隊の移転費―にそれぞれ数百億円の計上を要求。再編計画への協力の度合いに応じて自治体に支給する「再編交付金」は約百億円(〇八年度予算は六十二億円)を求めます。
〇九年度から土地造成工事などが本格化することから、巨額の費用計上を求めることになりました。
在日米軍再編を担当した米国防総省幹部は再編経費の総額が三兆円に上ると明言しています。防衛省は今後も巨額の再編経費を計上し続けなければならないことから通常の軍事費とは「別枠」扱いにすることを要求。これに対し財務省は難色を示しているとされます。
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