2008年12月9日(火)「しんぶん赤旗」
大阪大空襲 国を提訴
「補償立法ないのは違憲」
被災者18人
第二次世界大戦末期、大阪の街が火の海となった大空襲から六十三年、米軍による空襲の被災者と遺族十八人は、太平洋戦争開戦から六十七周年の八日、国を相手に大阪空襲訴訟を大阪地裁に起こしました。
原告は、「無謀な戦争継続で空襲を招き、戦後も民間被災者への補償法を制定しないのは憲法違反」として、謝罪と一人当たり千百万円、計約一億九千八百万円の損害賠償を求めています。空襲被害者の集団提訴は昨年三月の東京に次いで二番目です。
提訴後の記者会見で弁護団の高木吉朗弁護士は、「無謀な開戦としかるべき時に戦争を終結させなかったという先行行為にもとづいて、戦後、援護措置を講じるべきだったのに、放置してきた政府の責任を明らかにしていきたい」と述べました。
「戦争被害はすべての国民が等しく受忍しなければならない」とする最高裁判例の民間人を援護法の対象外とした戦争被害受忍論に対して、「平和憲法を持つ日本でなぜ補償ができないのか全く理解ができない。いかにでたらめな理屈であるのか訴えていきたい」と語りました。
「やっとここにたどり着けた」という原告の一人で代表世話人の安野輝子さん(69)は、「六十三年間も放置されてきた。国は私たちの声をしっかり受け止めてほしい。二度と私たちのような人をつくらないでほしい」と涙ながらに訴えました。