2008年12月8日(月)「しんぶん赤旗」

COP14

難航のまま後半へ

先進国の目標で差異


 ポーランドのポズナニで開催中の国連気候変動枠組み条約第十四回締約国会議(COP14)は六日までに前半を終えました。今回の会議は、二〇一三年以降の温暖化防止の新たな国際協定をつくる来年末のCOP15の成功の足がかりを築くため、世界が目指すビジョンと先進国の削減目標などで共通認識を前進させることが求められています。しかし、これまでの議論で、COP15に向けた論点整理案のとりまとめは難航しています。

 会議で大きな論点となっているのは、先進国の温室効果ガス削減の水準です。四日の会合で中国やインド、南太平洋の島国ツバルは、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の昨年の報告書に基づき、先進国が二〇二〇年までに一九九〇年比で25―40%削減する中期目標をもつよう主張。これに対し先進国側のロシアやカナダが「受け入れられない」と拒否しました。

 先進国の中でもドイツは30%削減の中期目標を決め、ノルウェーも今回の会議で30%削減の目標を示しました。英国も二酸化炭素(CO2)を26%削減する目標を国内法で決定しています。

 これまで交渉をリードしてきた欧州連合(EU)では、「二〇年までにガスを20%削減し再生可能エネルギーの比率を20%にする」という中期目標や関連のエネルギー政策の確定をめぐり加盟国間で議論があり、十一―十二日のEU首脳会議で決着をつけることになっています。

 世界最大級の排出国でありながら温暖化防止交渉を妨害してきた米国は、その張本人のブッシュ政権が来年一月に退陣することから、会議での代表団の発言は控えめです。

日本に批判

 交渉への消極姿勢のため、非政府組織(NGO)などから繰り返し批判されているのが日本です。

 日本は「世界全体の排出量を五〇年までに半減する」という目標を掲げています。ところが、その基準年については、九〇年とするのはEUに有利で日本に不利だとして、複数設定するよう主張しています。これは実質削減量低下につながる主張です。日本政府代表は、この「半減」目標さえ「拘束力はない」と発言しました。

 さらに日本は、米新政権が交渉方針を明確にするまでは自国の中期目標を示さない態度に固執しています。

 これらの姿勢から日本は三、四両日と連日、交渉を妨害する国を批判するためにNGOが与える「化石賞」の一位に選ばれました。

途上国は?

 一三年以降の新協定で、中国などの新興国を含む途上国の関与をどの程度にするかは、もう一つの論点です。

 先進国と途上国の「共通だが差異ある責任」の原則に基づきつつ、途上国も、先進国側からの支援を条件に、一定の行動をとるべきだとの議論が出ています。何の対策もとらない場合に比べて二〇年までに15―30%削減すべきだとの意見も表明されました。

 これに対して中国は、「一人当たり歴史的排出量」という指標を示し、これまで歴史的に排出量が少なかった国は、当面は一定の排出量が認められるべきだと主張しています。



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