2008年12月8日(月)「しんぶん赤旗」
貧困から子ども救え
東京で市民集会 教育・福祉の連携強調
「なくそう! 子どもの貧困 市民フォーラム」が七日、東京・池袋の立教大学で開かれ、福祉や教育の現場で働いている人や子ども連れの母親、研究者、学生ら約二百五十人が参加しました。
同フォーラムは、子どもの貧困の実態を共有し、語り合い、政策的課題を明らかにしようと、浅井春夫立教大学教授、松本伊智朗札幌学院大学教授、湯澤直美立教大学准教授の三氏が呼びかけたものです。
「子どもの貧困をなくす市民審議会」と題して各分野の八氏が、子どもをとりまく貧困の実態を報告しました。
福祉関係の団体の代表は、母親のネグレクト(育児放棄)で八年間、風呂にも入れずシャワーをあびることもなく小学三年から中学三年まで一度も学校に行けなかった母子家庭の十七歳の女子のことを報告。施設職員に初めて会った時、「私、においますね」とつぶやいたエピソードを紹介して、子どもの権利侵害の根源にある貧困の克服のため、「教育と福祉、労働分野の運動が連携する必要がある」と訴えました。
参加者からは給食の無料化など具体的な提案がありました。
このほか、北海道大学大学院の大澤真平さんが若者たちへのインタビューから見えてきた貧困の実態について報告。寺内順子大阪社会保障推進協議会事務局長が無保険で医療にかかれない子どもたちの現状を紹介。加藤彰彦沖縄大学教授が経済的に苦しい中でも互いに支え合ってきた関係が崩れている沖縄の現状を話しました。
集会では最後に、『子どもの貧困白書』づくりが提起されました。
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