2008年12月5日(金)「しんぶん赤旗」
雇用・中小企業守る
年の瀬 緊急対策を
志位委員長、政府に申し入れ
日本共産党の志位和夫委員長は四日、国会内で記者会見し、「年の瀬を迎え雇用と中小企業を守る緊急対策を」と題する麻生太郎首相あての要請書を政府に届けたことに加え、この問題で五日に麻生首相と党首会談を行うことを発表しました。(要請書全文)
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志位氏は、日本共産党はすでに「景気悪化から国民生活を守る日本共産党の緊急経済提言」(十一月十一日)を発表しているが、その後、年の瀬が迫るにつれ、雇用の破壊、中小企業の経営破壊の問題がいよいよ深刻になり、このままでは年を越せないという悲鳴が全国各地でわきおこる事態になっていると強調しました。
その上で、「こうしたもとで、雇用と中小企業を守るという問題について、政府の責任でその気になれば直ちに実行できる“緊急中の緊急”の施策に絞って、重点的な申し入れを行った」と述べました。
この角度から要請書は、第一に「大量の失業者が年末・年始の路頭に迷う事態を引き起こしてはならない」として、(1)大企業・経済団体に対し、雇用を守る社会的責任を果たさせるなど強力な指導・監督を行う(2)政府としての失業者対策を抜本的に拡充する―ことを求めています。
第二に、「資金繰りの困難から中小企業の倒産を増大させる事態を引き起こしてはならない」として、(1)大銀行・大企業に中小企業の経営を守る社会的責任を果たさせる(2)政府として中小企業の経営を支援する緊急の手だてをとる―ことを要求しています。
志位氏は、現在、大企業が強行している非正規労働者の大量解雇について、すでに判例として確立し、非正規労働者にも当然適用すべき「整理解雇の四要件」という雇用のルールをまったく無視したものだと厳しく批判。「今あるルールに照らしても、『派遣切り』『期間工切り』をやめさせることは、政治の責任だ」と強調しました。
記者団から、与党が近く発表するとしている「雇用対策」について問われた志位氏は、「報道の範囲でも、一番問題なのは、失業をした労働者に対する一定の手当てはあっても、一番肝心の、現に大企業が進めている首切りをやめさせるという対策がまったくないことだ」と述べました。
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