2008年12月4日(木)「しんぶん赤旗」

北海道サンルダム計画 専門家委員

3人が国交省所管公益法人役員

紙議員への政府答弁書


 政府は二日、日本共産党の紙智子参院議員の質問主意書への答弁書を閣議決定し、北海道下川町のサンルダム計画の魚類への影響等を調査検討している「天塩川魚類生息環境保全に関する専門家会議」(座長・辻井達一北海道環境財団理事長)の委員八人中三人が国土交通省所管の五つの公益法人の役員であることと、北海道開発局からの受注実績を初めて明らかにしました。


 同省はこれまで北海道所管の公益法人と民間企業については回答していましたが、同省所管の公益法人についてはまったく回答していませんでした。

 魚類専門家会議の委員八人のうち道庁職員一名と副座長を除く六人が開発局の受注企業等に属することがわかりました。

 明らかになったのは辻井座長が財団法人日本グラウンドワーク協会、社団法人北方圏センターの非常勤理事長、理事を兼任し、安田陽一・日本大学教授は財団法人水利科学研究所の非常勤理事、山田正・中央大学教授は、財団法人河川環境管理財団、財団法人水利科学研究所、社団法人河川ポンプ施設技術協会の非常勤理事を兼任しています。

 受注額では、河川環境管理財団が二〇〇三年度から〇八年度までに約五十億円、五百四十七件のうち一件を除きすべてが随意契約です。ポンプ施設協会は約二億円、百八件すべてが随意契約、グラウンドワーク協会は六件で五千二百六十万円、すべて随意契約です。

 天塩川流域委員会でダム建設の議論を推進した三人の大学教員は〇三年度から〇八年度までそれぞれ六百五十万円から九百四十七万円の研究費を開発局から受けています。研究成果については公表されておらず、国土交通省の研究委託費が文部科学省や厚生労働省科学研究費のように、国民がアクセスして検証できない問題点も明らかになりました。



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