2008年12月4日(木)「しんぶん赤旗」

社保審部会

保育制度の改変ねらう

年内結論へ議論加速


 厚生労働省の社会保障審議会少子化対策特別部会(大日向雅美部会長)は三日、保育制度の改変について、年内の取りまとめに向けた最終的な審議に入りました。

 大日向部会長は議論の冒頭、「現行制度の維持にこだわり、待機児問題などが解決しないのでは部会の任務が果たせない。公立保育所の運営費が一般財源化されたのと同じことが民間にも広がる可能性がある」などと述べ、早期に結論を出す意向を示しました。

 委員からも「直接契約方式をとるなら利用料は利用者が事業所に払うのが自然だ」(岩村正彦委員)、「新しい仕組みのもとで母子家庭などが排除されることのないよう、ワンストップの相談窓口を整備すべきだ」(駒村康平委員)など、大幅な制度改変を前提とした発言が相次ぎました。

 保育制度をめぐっては、自治体の保育実施責任を基礎とした現行の公的保育制度に代えて、利用者が個別に保育所と契約する直接契約方式を導入するかどうかが焦点となっています。保育の質の低下や格差の拡大が進む恐れがあるとして反対の声が広がっていますが、同部会は強引に年内に結論を出そうとしています。

 一方、同日開かれた保育事業者検討会(岩渕勝好座長)では、保育団体の代表から、改めて直接契約導入への反対が表明されました。全国保育協議会副会長の伊東安男委員は「契約制度となれば全国二万カ所の保育所は騒然となる。公的関与がありつつ利用者の選択も保障している現行制度の骨格を残し、一部改良で課題に対処できないか検討すべきだ」と述べました。


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