2008年12月4日(木)「しんぶん赤旗」

社会保障抑制は「維持」

来年度予算方針閣議決定 「機動的対応」も

今後の課題に消費税増明記


 麻生内閣は三日、二〇〇九年度予算編成の基本方針を閣議決定しました。社会保障関係費を毎年二千二百億円ずつ抑制することを盛り込んだ「骨太の方針2006」と来年度予算概算要求基準(シーリング)を「維持」しつつ、「(経済)状況に応じて果断な対応を機動的かつ弾力的に行う」としました。

 景気悪化と社会保障の連続改悪への批判から、実質的な手直しを余儀なくされていますが、抑制路線そのものは撤回していません。その上で、社会保障の「安定財源確保」を口実に、経済状況の好転後に「消費税を含む税制抜本改革を速やかに開始」し、「二〇一〇年代半ばまでに段階的に実行する」と明記。将来の消費税増税を打ち出しました。

 社会保障関係費の抑制をめぐっては、世論の強い批判を受け、麻生太郎首相も「結構限界にきている」(十一月二十七日)と発言。小泉内閣以来の「社会保障費抑制路線」の国民との深刻な矛盾が鮮明になっています。

 それでもなお、「シーリングは維持」(麻生首相)するとし、経済状況に応じた「果断な対応」は「特別枠」や補正予算の上積みなどで具体化することを検討しています。その財源として、たばこ増税が浮上しており、“取りやすいところから取る”発想です。

 道路特定財源の「一般財源化」については、「一兆円を地方の実情に応じて使用する新たな仕組み」をつくるとしました。首相と自民党はすでに、道路を含む公共事業に使途を限定した一兆円の新型交付金の創設で合意。ムダな高速道路をつくり続ける仕組みを温存する構えです。



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