2008年12月3日(水)「しんぶん赤旗」
認証保育所ハッピースマイル
補助金不正受給か
党都議団調査 職員虚偽申請の疑い
開園からわずか二カ月で閉鎖する事態となった東京都の認証保育所ハッピースマイル東中野駅前園(中野区)で、都と区にたいし職員数などの虚偽申請を行って認証を受け、補助金を不正に受給していた疑惑が二日、日本共産党東京都議団の調査で明らかになりました。
虚偽申請は、党都議団が入手した開設時の職員名簿にもとづく調査で判明しました。
運営する二十九の保育園を十月末にいっせい閉園したエムケイグループ(東京都豊島区、初見雅人社長)は六月、東中野駅前園の開設申請にあたって保育従事職員八人の名前を記載した名簿と、職員を「確保済」とした「事業計画」を都に提出しています。
しかし都議団の調査によると、名簿に記載した保育士八人の勤務実態はなく、そのうち一人は同園に併設予定の学童クラブ職員として雇った保育士でした。
エム社が中野区に提出した九月の名簿では、学童クラブの職員と月に数回だけ訪れる本社の社員が常勤の保育士として名を連ねていました。十月の名簿では常勤保育士は二人しか記載がなく、配置基準違反でした。しかも本社社員が常勤の保育士などとして虚偽申請がされています。
エム社は虚偽申請の結果、中野区などから千五百六十万円の補助金を不正受給していました。
二日、都庁で記者会見をした日本共産党都議団の吉田信夫幹事長は「都は十月の都議会で認証体制を改善したと答弁したが、虚偽申請を見逃す事態になっており、実効性がない」と指摘し、「認証保育所制度の構造的欠陥が明らかになった」と指摘しました。会見には大山とも子、植木こうじの両都議、来住和行党中野区議が同席しました。
党都議団は同日、営利企業による認証保育所の実態調査や営利企業の参入中止、認可保育所増設支援の拡充など七項目を都に申し入れました。
都の認証保育所は石原慎太郎都知事が推進してきたもので、虚偽申請と補助金不正受給疑惑が発覚したのは「じゃんぐる保育園」「小田急ムック成城園」についで三件目です。