2008年12月3日(水)「しんぶん赤旗」
米次期政権 外交・安保閣僚を発表
国務長官にクリントン氏
ゲーツ国防長官は留任
【ワシントン=西村央】オバマ次期米大統領は一日午前、シカゴで会見し、ヒラリー・クリントン上院議員(61)の国務長官指名、ロバート・ゲーツ国防長官(65)の留任を含む、次期政権の外交・安保担当閣僚を発表しました。安全保障担当の大統領補佐官にはジェームズ・ジョーンズ元北大西洋条約機構(NATO)欧州連合軍最高司令官(64)を充てました。
オバマ氏は会見で、クリントン氏起用にあたっては「彼女は各国リーダーに多くの知己を持ち、世界のなかで米国の利益を促進していく能力がある」と表明。ゲーツ氏留任については、「二つの戦争が継続中の政権移行である」という点をあげ、イラクでの戦争の責任ある終了と、アフガンへの戦力増強を確実にするためであると述べました。
クリントン氏は上院でのイラク戦争の開戦決議に賛成。オバマ氏と民主党の大統領候補指名を激しく争った予備選中は、イラクからの撤退を主張しましたが、撤退期限は示しませんでした。会見の席上、「米国は世界の協力なしで危機の解決はできない」と述べ、国際協調の方向を示しました。
ゲーツ氏はラムズフェルド前国防長官の辞任後、二年前に就任。ブッシュ政権のもとでイラク、アフガン戦争継続の任にあたってきました。共和、民主と二つの政権で国防長官を務めるのは初めてのケースですが、会見で「軍と国家に奉仕し続けることができるのは誇りである」と表明しました。
このほか、国土安全保障長官にアリゾナ州知事のジャネット・ナポリターノ氏(51)、司法長官にはエリック・ホルダー元司法副長官(57)、国連大使にはスーザン・ライス元国務次官補(44)を起用しました。