2008年12月3日(水)「しんぶん赤旗」
築城基地拡張を断念
防衛省 住民の反対・反発受け
福岡
|
福岡県にある航空自衛隊築城(ついき)基地を拡張する計画について、防衛省が断念することを関係自治体に伝えていたことが二日までにわかりました。
拡張計画は、基地に隣接する農地四ヘクタールを取得し、滑走路に平行する誘導路を延長し、燃料タンクを増設するなど、基地機能を強化するもの。
拡張断念は、九州防衛局の企画部長らが一日夕方、築上町、行橋市、みやこ町を相次いで訪問して説明しました。築上町や行橋市の基地対策課によると、防衛省側は、「地元の理解が得られないので、来年度の予算は計上しない措置をとる」と説明したといいます。
防衛省は二日、日本共産党の赤嶺政賢衆院議員の「計画を撤回したということか」との追及にたいし、「そういうこと」だと答えました。
同基地では、昨年十一月に沖縄・米軍嘉手納基地のF15戦闘機との共同訓練が強行されました。拡張計画はその直後に表ざたになり、以来、米軍再編にからんだ基地強化として、平和団体が反対運動を展開。取得農地の地主らも強く反発していました。
日本共産党は、赤嶺衆院議員や田村貴昭衆院九州沖縄ブロック比例予定候補らが現地調査をしたり、計画の白紙撤回を同省に求めてきました。
築上町の新川久三町長は、本紙の取材にたいし、「(予算計上しないのは)当然で、当たり前です。基地は町にとって、もともと迷惑施設です。基地の現状を維持することにはある程度協力はするが、拡張はしてほしくないという町の立場は今後も変わりません」と話していました。
たたかいが追い込む
赤嶺政賢衆院議員の話 私も地元自治体や住民の方々から「米軍基地化は絶対に許せない」という切実な思いを直接うかがってきました。住民の運動と日本共産党のたたかいが一つになって、防衛省を計画断念に追い込んだものであり、重要な成果です。
日米両政府は、全国の「米軍再編」反対の声を正面から受け止め、再編計画そのものを撤回すべきです。