2008年12月3日(水)「しんぶん赤旗」
中小企業向け融資
5兆7千億円(2年間)減
大銀行4グループ 貸し渋りの先頭に
三大メガバンク(みずほ、三菱UFJ、三井住友)に、りそなを加えた大銀行四グループの中小企業向け貸し出しの減少額が、一年間で約三兆七千億円、二年間で約五兆七千億円にのぼることが、各グループの九月中間決算で分かりました。
日銀の調査によると、九月末の国内銀行の中小企業向け貸し出しの残高は約百七十九兆円で、一年前と比べると約五兆九千億円、二年前と比べると約七兆八千億円減少しています。四つの大銀行グループだけで、減少額のそれぞれ六割以上、七割以上を占めます。大銀行が中小企業への貸し渋り・貸しはがしの先頭に立ってきたことになります。
二年前と比べもっとも多く減らしたのが、みずほフィナンシャルグループ(FG)で、同月末比で二兆八千八百九十五億円の減少。三菱UFJFGが一兆九千四百八十億円、三井住友FGが四千六百五十八億円、りそなグループが三千六百十四億円のそれぞれ減少でした。
一九九〇年代後半から、大手行には約十一兆五千億円もの公的資金が投入されました。二〇〇七年度決算では、四グループで約二兆五千億円の経常利益をあげながら、いずれのグループも法人税をほとんど払っていません。その一方で、三菱UFJが米証券大手のモルガン・スタンレーに約九千億円の出資をするなど、海外の金融機関の支援には熱心です。
資金繰りが困難になり倒産する中小企業が増えています。帝国データバンクの調査によると、中小企業の三社に一社が年末の資金繰りが「厳しい」と回答しています。麻生自民・公明政権は、「中小企業の資金繰り対策」というなら、まず真っ先に、大銀行の貸し渋り・貸しはがしをやめさせることです。そして、大銀行が中小零細企業への資金供給という社会的責任を果たすように、「貸出目標と計画を明確にさせて、監視・監督を強化するなど実効ある対策をおこなうべき」(日本共産党の緊急経済提言)です。
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