2008年11月28日(金)「しんぶん赤旗」
首相、暴言謝罪直後
たらたら飲み食いしている人の医療費を何で私が払う
「たらたら飲んで、食べて、何もしない人の分の金(医療費)を何で私が払うんだ」。麻生太郎首相が二十日の経済財政諮問会議で、医療費増大にかかわって、受診する高齢者を攻撃する発言をしていたことが、同会議の議事要旨で明らかになりました。麻生首相は二十七日、記者団に「病の床にある方の気分を害したならおわびする」と陳謝したものの、「(病気の)予防に注意する人としない人ですごい差があるというのが趣旨だ。その一部だけが(報道に)出た」などと開き直りました。
二十六日に公開された議事要旨によると、麻生首相は「六十七、六十八歳になって同窓会に行くと、よぼよぼしている、医者にやたらにかかっている者がいる」と発言。「彼らは、学生時代はとても元気だったが、今になるとこちらの方(麻生首相)がはるかに医療費がかかってない。それは毎朝歩いたり何かしているからである。私の方が税金は払っている」とし、「何もしない人」の医療費は負担できないと語りました。
いざというときに安心して医療が受けられるように、保険料を出して支えあっているのが医療保険制度です。麻生首相の発言は、こうした保険制度の存在意義そのものを無視する暴論です。
麻生首相は、医師不足問題で「社会的常識がかなり欠落した人が多い」(十九日)と医師に責任をなすりつける発言をし、問題になりました。日本医師会は翌二十日に麻生首相に直接会って抗議し、麻生首相は陳謝しましたが、今回明らかになった暴言は、その陳謝から三時間半後の経財会議で飛び出たもの。まったく反省がないことを示しています。