2008年11月27日(木)「しんぶん赤旗」
米軍、ホテル宿泊を断念
日米共同演習に参加
東京・練馬
自衛隊と米軍が十二月一日から十四日にかけて陸上自衛隊朝霞駐屯地(埼玉県朝霞市、東京都練馬区)での日米共同方面隊指揮所演習(ヤマサクラ55)に参加する米兵、米軍属の練馬区内の民間ホテルへの宿泊を断念していたことが二十六日、分かりました。
本紙の取材に練馬区が明らかにしました。同区によれば、在日米陸軍(座間基地)の広報部長らが十四日に同区を訪れ、「米軍及び米軍関係者は朝霞駐屯地内または池袋周辺に宿泊する」と説明したといいます。
演習には自衛隊から四千五百人、米軍から千二百人が参加します。朝霞駐屯地での演習は三回目。前回の演習で米軍と関係者が区内のホテル(九十室)を一カ月間貸切りにして「米軍宿舎」として使用しました。
住民や平和団体から「米兵の犯罪や事故が心配だ」との声があがりました。練馬区は今回の演習を前に北関東防衛局に対し「多発する米軍事件・事故に不安がある。区内でのホテル利用を遠慮してほしい」などと申し入れてきました。
日米地位協定をめぐる日米協議は、基地外での「ホテル宿泊」も「認められた宿舎又は住居」として「公務」扱いにするとしています。ここでの米軍犯罪をめぐる一次裁判権は米軍となり、日本側の捜査は極めて困難になります。
練馬平和委員会の坂本茂事務局長は「住民の暮らす町に突然、多数の軍人の出現は不安そのものです。米兵犯罪の事例などをもとに行政に不安解消を働きかけてきました。そうした市民運動と行政の連携の成果だと思います。憲法が保障する平和的生存権の一つとしてこうした運動を積み上げ平和で安全な街づくりにつなげたい」と語っています。
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