2008年11月23日(日)「しんぶん赤旗」

温室ガス

企業に削減義務化を

市民シンポ 井上議員が発言


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(写真)市民が進める温暖化防止シンポで発言する井上議員(右から3人目=22日、京都市

 「市民が進める温暖化防止2008」シンポジウムは二十二日、二日間の日程で、京都市内で始まり、百五十人が参加しました。十年目を迎える今年のテーマは、「MAKE the RULE」(地球温暖化防止のためのルールづくり・気候保護法)です。

 気候ネットワークの平田仁子さんが基調報告し、先進国の温暖化ガス削減目標を定めた京都議定書(一九九七年)以降も温暖化ガスが増え続けているなか、「日本でも排出量取引制度が試行されているが、排出に上限を課すような仕組みになっていないし、二〇二〇年までの中期的な削減目標もない」と指摘しました。

 ディスカッションに出席した日本共産党の井上哲士参院議員は、政府・与党からは温暖化の問題を「国益」や「外交カード」のように扱う声が聞こえると指摘。「京都議定書を生んだ国として、どう国際的責任を果たすかという発想に変えなくてはならない」と強調しました。

 井上氏は具体的に、来年から日本で試行される排出量取引制度は企業に排出削減を義務づけた実効性のあるものに見直すべきだと主張。エネルギー政策も、事故や災害、データ捏造(ねつぞう)などで停止が相次いでいる原発は決して安定的なエネルギーではなく、事故が起きれば深刻な環境悪化を招くと指摘。原発頼みから、自然エネルギーへと大きく転換する必要があると述べました。

 なぜ温暖化防止のルールづくりが進まないのかが議論となり、「環境文明21」の加藤三郎共同代表は、「環境規制を強めると、経済がおかしくなるという誤解があるのではないか」と指摘。公害問題に取り組んだ自身の経験から、「環境対策でつぶれた企業はない。本気になって環境対策をやれば雇用も増える」と発言しました。

 シンポジウムには民主党、公明党の議員も参加しました。



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