2008年11月21日(金)「しんぶん赤旗」

英・労組会議

雇用対策強化求める

金融危機対応 財務相に書簡

“税の公正 促進を”


 【ロンドン=岡崎衆史】英国の労働組合の連合体である労働組合会議(TUC)は十九日、ダーリング財務相に書簡を送付し、金融危機が引き起こした不況に対応するため、抜本的な雇用対策を求めました。また、危機打開の取り組みをきっかけに、税制や社会的格差の点でより公平で、環境にやさしい社会の建設を進めるよう促しました。

 これまでも国際労働組合総連合(ITUC)や欧州労連(ETUC)など諸団体が、米国発の金融危機への対応で、労働者にしわ寄せをしないように各国政府に働き掛けています。

 英国のTUCはまず、公共職業紹介所の職員削減をやめるなどし、解雇に直面している労働者の支援体制を強化すること、解雇手当や失業手当の増額を要求。また、住宅ローンを払えない人からの担保の住宅の取り上げを一時停止し、過剰債務に苦しむ人を救済するよう訴えました。

 さらに、インフラ投資増進を求め、その一環として、公共住宅建設の促進や、再生可能エネルギー事業の拡大を提唱しました。

 中所得層と貧困層は「臨時収入があった場合貯蓄に回すのではなく、支出に回す」として、減税などで重点的に支援することを要請。これらの層への減税は「税の公正を促進するまれな好機だ」と強調しました。

 TUCミッドランズ地方書記のロジャー・マッケンジー氏は、「公的支出は、経済的な効果をすぐに生みだすとともに、英国をより公平で、環境にやさしい国にするために必要だ」と述べました。

 TUC加盟労組は五十八で、組合員総数は、六百四十七万人です。



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