2008年11月21日(金)「しんぶん赤旗」

横須賀初寄港の米原潜

特殊潜航艇を搭載

神奈川県平和委が確認


 最新鋭の米巡航ミサイル原子力潜水艦「オハイオ」(一八、七五〇トン)が神奈川県横須賀市の米海軍横須賀基地にことし十月、初寄港した際、神奈川県平和委員会は、特殊潜航艇を確認しました。初寄港時に同艇の姿が確認されたのは初めてです。


 寄港したのは十月十六日。十七、十八の両日、監視行動の一環で、港内めぐりの観光船から調査した神奈川県平和委員会の蒲谷俊郎常任理事が、特殊潜航艇を確認しました。

 十七日に撮影した写真には艦体番号はありませんでしたが、十八日には「726」の番号がはっきりと確認できました。

 十七日の写真には二台ある特殊潜航艇の右側の格納庫の扉が開けられ特殊潜航艇が引き出されていました。巡航ミサイルの発射ハッチのふた二基も開いた状態でした。

 オハイオは、二〇〇三年に旧式の弾道ミサイル原潜(SSBN)を誘導(巡航)ミサイル原潜に改修した四隻のうちの一隻。この改修では、ミサイル発射ランチャーを一部削減した部分に特殊作戦用の潜航艇プラットホームを搭載しました。

 〇六年に発表した米軍のQDR(四年ごとの国防計画の見直し)は、その任務をこう記述しています。

 「この改修により、搭乗した特殊作戦部隊(SOF)要員がアクセスを拒否された地域に潜入し、重要人物の居場所を突き止めたり、精密攻撃の目標を特定したり、直接行動任務を遂行したりすることが可能となるだろう」

 オハイオには百四十発のトマホーク巡航ミサイルが装備されています。

 米軍はQDRで、空母十一隻のうちの六隻を、潜水艦の六割を太平洋に配備するとしています。

 米海軍に詳しい軍事ジャーナリストは「航行中はいっさいを秘密にするが入港中に艦体番号を表示する。改修前まではミサイル発射管には核弾頭がずらりと並んでいた。いまはかわりに特殊部隊が乗り込み外部からはわからない秘密作戦が行われている。横須賀に原子力空母が配備されて、米原潜の動きも活発化している。沖縄に寄港したときに海上自衛隊潜水艦隊司令官が乗艦したようだが、日米共同演習の調整をしたのではないか」と話しています。



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