2008年11月20日(木)「しんぶん赤旗」
企業参入 再検討せよ
都議会委 不正続く認証保育所
吉田議員追及
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十八日の東京都議会厚生委員会で日本共産党の吉田信夫議員は、石原知事が推進してきた認証保育所をめぐり、申請書類の虚偽記載(じゃんぐる保育園、小田急ムック成城園)や開園二カ月の閉園(ハッピースマイル東中野駅前園)が相次いだことを取り上げ、都の責任を追及しました。
吉田氏は、ハッピースマイルを経営していたエムケイグループが突然閉鎖したことは「『あとは野となれ山となれ』という態度だ」と批判。福祉保健局の吉岡則重少子社会対策部長は、閉鎖する際に「相当期間の余裕をもって」事前に区市町村や都と協議するとしている都の認証保育の設置運営要綱に反していることを認めました。
また吉田氏は、「認証保育所には自治体からの運営費補助金の使途に制限がない」と保育事業以外に税金が使われる可能性を指摘。認証保育所を運営する営利企業が補助金を目的外に流用する懸念をただしたところ、都側は「保育以外の目的に充てるのは認められない」と答弁しました。
営利企業への都の指導監査について吉田氏は、昨年十月の小田急ムック成城園への都の立ち入り調査では“問題なし”の結果だったが、開園一年で十四人も職員が退職し父母から改善要望が出ていたことを指摘し、事態を見抜けなかったずさんさを批判。企業経営の施設の全面的な実態調査や運営基準・指導検査の強化、不正があった場合のグループ企業の連座制導入など認証保育制度の抜本的な再検討を求めました。
吉岡部長は、実施主体の自治体から情報を得ているとして、実態調査と制度の再検討を拒否しました。