2008年11月20日(木)「しんぶん赤旗」

原爆症認定訴訟

東京高裁判決が解決期限

官房長官、被爆者らに明言


 河村建夫官房長官は十九日、首相官邸で、日本原水爆被害者団体協議会、原爆症認定集団訴訟の原告団、弁護団と面会し、同訴訟の早期・一括解決を求める要請を受けました。河村氏は席上、「(来春予定の)東京高裁判決がタイムリミットだ。それ以上(解決を)遅くすることはない」と明言しました。


 面会したのは、日本被団協の田中熙巳事務局長、岩佐幹三、山本英典両事務局次長(山本氏は全国原告団団長)、宮原哲朗全国弁連事務局長、中川重徳東京弁護団事務局長の五氏です。

 麻生太郎首相と河村官房長官あての要請書は(1)肝機能障害と甲状腺機能障害を認定基準の積極的認定の疾病に加える(2)がんにかかったすべての被爆者を原爆症と認定する(3)六千件を超える認定申請の滞留状態を解決する(4)地裁判決への控訴を取り下げ、勝訴した五十人余りの未認定原告を認定する(5)原告全員を救済し訴訟を早期に解決する―の五点です。

 面会後、厚生労働省内で記者会見した田中氏らによると、河村氏は、二疾病を積極的認定の範囲に加えることを舛添要一厚労相に求めていくとのべ、申請の滞留について健康局長に状況を確認し、早急な解決にむけてとりくむと回答しました。

 会見で田中氏は「積極的な姿勢を感じたが、東京高裁判決までは解決が難しいということなのか」とのべ、宮原氏は「東京高裁判決が解決への勝負どころになる」と語りました。



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