2008年11月20日(木)「しんぶん赤旗」

沖縄ホワイトビーチ

異常事態 米原潜入港

過去最多・事前通報なし


 米ロサンゼルス級攻撃型原潜ハンプトン(水中排水量六、九〇〇トン)が十九日、沖縄県うるま市の米海軍基地ホワイトビーチに寄港しました。今年に入って三十七回目の原潜寄港となり、過去最多を更新。沖縄では反発が広がっています。

 ホワイトビーチではこの間、異例・異常な原潜寄港が繰り返されています。

 例えば、十月三十一日に寄港したロサンゼルス級攻撃型原潜ブレマートンは、出港したのが九日後の十一月九日でした。沖縄県基地対策課によると、これは、本土復帰(一九七二年)後で二番目に長い停泊期間でした。

 ブレマートン出港直後の十日には、ロサンゼルス級攻撃型原潜プロビデンスが、日本政府に二十四時間前に行うことになっている事前通報なしに寄港。外務省や沖縄県も抗議する事態になりました。

 十二日には、最新鋭の誘導ミサイル型原潜オハイオ(水中排水量一八、七五〇トン)が初寄港し、十四日に再寄港しました。

 オハイオは、イラクへの先制攻撃などで使用された巡航ミサイル・トマホークを百発以上も搭載可能。これに加え、特殊作戦部隊とその装備を収容し、海上から敵地に侵入して破壊活動などを行う特殊作戦の拠点にもなります。

 オハイオのホワイトビーチ初寄港の際、同原潜に海上自衛隊の潜水艦隊司令官ら幹部二人が乗船し、再寄港時に下船していたことも明らかになっています。目的は「研修」とされ、地元紙は「オハイオの相次ぐ沖縄寄港は、海自幹部の乗降のためだった」(琉球新報十八日付)と告発しました。

 労働組合や医療関係団体、日本共産党などでつくる沖縄県統一連は十八日、抗議集会を開催。うるま市議会では十七日、原潜寄港に反対・抗議する意見書・決議を全会一致で可決しました。

 うるま市議会の意見書・決議は「(今年の原潜寄港が)過去最多の寄港となった昨年の二十四回を大きく上回っており、寄港頻度が突出して増えている状況は異常」と強調しています。

 しかも、寄港増の原因が明らかにされず、八月に発覚したロサンゼルス級攻撃型原潜ヒューストンの冷却水漏れ事故の詳しい説明もいまだにないと批判。「市民や県民を不安に陥れる全くの住民軽視であり、日米両国政府の責任は重大」だと強く批判しています。



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