2008年11月19日(水)「しんぶん赤旗」
圏央道工事で代執行
デッキ撤去 住民ら自然破壊に抗議
高尾山トンネル
国土交通省は十八日、圏央道(首都圏中央連絡自動車道)高尾山トンネル南側坑口付近で、トンネル建設を批判する住民や自然保護団体が設置していた木造デッキ(舞台)を強制撤去する行政代執行を開始しました。住民らは国交省に抗議し、代執行の中止を求めました。
デッキは、住民らが圏央道建設による自然破壊から高尾山を守るため、トラスト地に設置していたもの。住民らは、デッキのあるトラスト地について、トンネル建設予定地との境界をめぐる国との民事訴訟が確定していないのに、収用裁決も得ずに代執行を強行したことを批判。「これまでに圏央道工事による環境破壊が続き、高尾山トンネル工事でも沢枯れが起きている。無駄な公共事業で国定公園高尾山を破壊することは許されない」との声明を読み上げました。
トラスト地の地権者でつくる「地権者の会・むさゝび党」の武山健二郎代表代行は「代執行は法律を誤って適用したものだ。自然の豊かな高尾山にトンネルを掘るのはあまりに無謀であり、私たちは今後も裁判でたたかい、世論を広げて高尾山を守る運動を続ける」と話していました。
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