2008年11月15日(土)「しんぶん赤旗」
経団連が道州制提言
15年に導入 大規模事業の財源に
日本経団連は十四日、都道府県を廃止し、二〇一五年に道州制を導入することを求める提言を発表しました。提言では、一五年に道州制導入とともに、中央省庁を解体・再編すると明記。国の統治機構そのものを根本から見直す「究極の構造改革」と位置づけました。また市町村合併もさらに大規模にすすめ、「十程度の道州と千程度の基礎自治体の体制」をつくることを提起しました。
麻生自公政権は「道州制の導入の推進」を政権公約に明記し、早期実現をめざしています。日本経団連の中村邦夫副会長・道州制推進委員長は「(政府と)軌を一にして前に進めたい」と述べました。
提言では、道州制導入によって、国と地方の公務員大削減と公共投資の「効率化」が可能とし、五兆八千四百八十三億円の財源を生み出せると試算。「新たな財源」をもとに、道州が道路や港湾などの「インフラの整備を自主的に行う」ことができるとしました。これは、道州制による「行財政改革」の狙いが、財界・大企業の新たなもうけのための「資金」づくりであることを露骨に示したものです。
また、道州制によって、現在の都道府県議会議員数(約二千八百人)を「半数程度、あるいは三分の一にする」などの案も提示。住民の意思を反映させる地方議会のあり方を破壊する意図を示しました。
「道州制推進基本法(仮称)」の制定については、当初予定より一年前倒しして、〇九年の成立を要求。制度の推進を加速させることをうたいました。
道州制 現在の都道府県を廃止し、新たに全国を十程度の「道・州」(ブロック)に区分けするもの。地方自治体の改変にとどまらず、国の仕事を外交・軍事・司法などに限定する一方、教育・医療・福祉などにたいする国の責任を放棄し、地方におしつけることを狙っています。