2008年11月14日(金)「しんぶん赤旗」

侵略美化 受講400人

田母神氏03年設置 自衛隊の幹部教育

井上議員質問


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(写真)質問する井上哲士議員=13日、参院外交防衛委

 田母神俊雄前航空幕僚長が統合幕僚学校長時代に新設した「歴史観・国家観」講義を受講した幹部自衛官が約四百人に達することが十三日の参院外交防衛委員会で明らかになりました。日本共産党の井上哲士議員の追及に浜田靖一防衛相が答弁したもので、侵略戦争美化、憲法破壊の考え方を教え込む幹部教育が、隊内で大規模に進められていることがはっきりしました。

 講義が新設されたのは二〇〇三年度。田母神氏は十一日の同委員会で、自身が設けたことを井上氏に対し認めています。

 浜田防衛相は、その受講者数が、陸・海・空の自衛隊別にそれぞれ百四十人、百三十人、百二十人だと明らかにしました。

 井上氏が示した防衛省資料によると、同講座の「主要教育内容」は「現憲法及び教育基本法の問題点」や「大東亜戦争史観」などですが、講師の名前は黒塗りにされています。

 井上氏は、講師を務めたことを明らかにしている大正大学の福地惇教授(「新しい歴史教科書をつくる会」副会長)の講義内容が「満州事変・満州建国は日本の侵略ではない」「偽装歴史観に裏付けられた平和憲法=『GHQ占領憲法』」などであると指摘。「田母神氏が今回、論文で明らかにした中身が幹部教育で教えられている」と迫りました。

 麻生太郎首相は「(講義)内容を把握していない。お答えしようがない」と答弁。井上氏は、そうであれば、いっそう講師の氏名、講義内容の資料提出が必要だと求め、北沢俊美委員長(民主党)も「黒塗りで出すとは防衛省の見識を疑う。即刻明らかにすべきだ」と述べました。

 井上氏は「田母神氏は更迭されたが、第二、第三の田母神氏をつくる仕組みは残っている」と批判、幹部教育の全容を明らかにし、その是正を強く求めました。



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