2008年11月13日(木)「しんぶん赤旗」
核兵器廃絶
「約束」実行 米に求めよ
衆院委 笠井議員に外相「その通り」
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中曽根弘文外相は十二日の衆院外務委員会で、二〇〇〇年の核不拡散条約(NPT)再検討会議で合意された核兵器廃絶の「明確な約束」について米国にその実行を求めていく考えを示しました。日本共産党の笠井亮議員の追及に答えたもの。
〇〇年のNPT再検討会議では、最終文書に「自国の核戦力の完全廃絶を達成するという核保有国による明確な約束」が盛り込まれ、核保有国も合意しました。しかし〇五年の同会議では、ブッシュ米政権がこの約束を反故(ほご)にし、廃絶に向けた誓約の話し合いを拒否。日本政府も、このブッシュ政権の姿勢に同調し続けていました。
笠井氏は、次期大統領に当選したオバマ氏が「核兵器の廃絶を核政策の中心的な要素にする」と述べ、〇五年の再検討会議が「ぶざまな失敗」におわった原因にブッシュ政権の態度があったと明言していると強調。被爆国の政府として、一〇年の再検討会議に向け、「明確な約束」の実行を再確認・加速化するよう米国に求めるべきだと迫りました。中曽根外相は「その通りだ」と答弁しました。
笠井氏は、この変化の根底に、被爆者を先頭にした世論と運動があると指摘。「すみやかに核兵器禁止・廃絶条約の交渉開始を呼びかけるべきだ」と求めました。中曽根外相は「十分検討して対応していく」と述べ、条約交渉に踏み出すと明言しませんでした。
笠井氏は、日本政府が「核抑止」に依存する姿勢から決別し、「核兵器廃絶を(政策の)中心にすえるべきだ」と強く求めました。
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