2008年11月13日(木)「しんぶん赤旗」

温室ガス排出量 8.7%増

07年度 基準年比で最高


 環境省の十二日の発表によれば、二〇〇七年度の国内での温室効果ガス排出量(速報値)は二酸化炭素(CO2)換算で十三億七千百万トンとなり、前年度比で2・3%も増加しました。京都議定書の基準年である一九九〇年度比で8・7%増。同年以降で最高となりました。

 日本は同議定書で、〇八―一二年度の平均で九〇年比6%削減を義務づけられていますが、削減約束の実施期間が今年始まったにもかかわらず、削減目標は14・7%に上積みされることになりました。

 政府は、森林によるCO2吸収(3・8%)や他国からの排出枠購入(1・6%)で5・4%削減を見込んでいますが、それ以外は企業の「自主計画」任せ。残り9・3%の削減を確実に達成する政策をもたないままで今日に至っています。

 昨年度の排出量の増加は、同年七月の新潟県中越沖地震で柏崎刈羽原子力発電所が被災したので、これを補うために火力発電による電力量を増やしたことが主な原因です。政府は原発増加を「低炭素社会」実現の「切り札」とする政策をとっていますが、これがCO2排出削減の確実な措置とならないことを裏付けた形です。

 日本が排出削減に転換できない主な理由も、CO2排出率の高い石炭による発電を増やしているため。排出削減に転じている欧州諸国では、石炭利用を減らし、天然ガスや再生可能エネルギーの利用を拡大することで、成果を挙げています。



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