2008年11月12日(水)「しんぶん赤旗」
“単独行動主義 終わった”
国際秩序の構築よびかけ
英首相
【ロンドン=岡崎衆史】ブラウン英首相は十日、ロンドン市内で外交政策に関して演説し、米大統領選での民主党のオバマ上院議員の勝利で単独行動主義の時代が終わり、多国間協調の可能性が広がっていると強調しました。その上で、米欧が軸となり、公正な国際秩序を築くよう呼びかけました。
ブラウン首相はオバマ氏勝利について、「狭い単独行動主義ではなく、革新的な多国間協調主義を規範にする真の国際社会の時代をつくる極めて大きな変化の好機だ」と指摘。このために国際社会が協力するよう求めました。
特に、米欧が「より強く、安全で公正な国際秩序を築く努力を拡大し、その先頭に立つ」ことが必要だと訴えました。
同首相はさらに、国際社会が取り組むべき主な課題として、金融危機、気候変動、貧困、軍縮、紛争解決、イラク、アフガニスタンの安定化、中東和平などを列挙。金融危機では、国際通貨基金(IMF)や主要国首脳会議に、より広範な国の声を反映させるための改革を支持しました。
気候変動に関しては、経済状況の悪化で対策を遅らせてはならないと警告し、欧州が温暖化対策の先頭に立つよう呼びかけました。
首相はアフガンについて、「国際社会が失敗することのできないテスト」だと位置づけました。