2008年11月9日(日)「しんぶん赤旗」

自民・民主税調が今週に会合

消費税増税への態度は…


 麻生太郎首相が明言した「三年後の消費税引き上げ」方針で、消費税増税問題が総選挙の一大争点に浮上しています。自民、民主両党は今週それぞれ党税制調査会の総会を開き、税制論議を本格化させます。国民の暮らしを破壊するのか、守るのか、各党の態度が問われています。


■政府・与党

 「方針は一貫している」。麻生首相は七日の参院本会議で、三年後の消費税増税方針に変わりがないことを強調しました。三年後といえば、次の総選挙で選ばれた衆院議員の任期中。首相発言は、まさに増税を公約に掲げたものです。

 これに呼応するように、首相の諮問機関の政府税制調査会(香西泰会長)は十四日に会合を開き、消費税増税を含めた二〇〇九年度税制改定論議を再開します。政府の社会保障国民会議が最終報告(四日)で打ち出した、二〇一五年の消費税率を現在より3・3%から11%引き上げる試算などを視野に入れています。

 自民党税制調査会の津島雄二会長も「年末の税制改正には、…消費税についても具体案をいくつかの選択肢を挙げて示したい」(日本経団連誌『経済トレンド』十一月号)と述べています。

 消費税は、所得の低い人ほど負担が重く、大企業は一円も負担しないなど最悪の不公平税制です。財源といえば、すぐに消費税を口にする自公政治では生活の不安は消えません。

■民主党

 一方、民主党は「三年後に増税すると言えば、賢明な国民は財布のひもを緩めない」(鳩山由紀夫幹事長、十月三十日)と首相の消費税増税発言を批判しているものの、消費税増税そのものに反対する姿勢を明確に示していません。

 同党の「税制改革大綱」(〇七年十二月)は、消費税率について「引き上げ幅や使途を明らかにして国民の審判を受け、具体化する」と明記しています。また、六月に日本経団連と行った「政策を語る会」では、将来的な消費税の「引き上げはいずれ必要」と明言しています。国民の前では、“反対”、財界の前では“賛成”というあいまいな態度をとることは許されません。


反対貫く日本共産党

食料品非課税を掲げる

 日本共産党は、消費税増税に反対を貫くとともに、消費税の食料品非課税を緊急に実施することを総選挙政策で掲げています。財源問題でも、消費税増税をしなくても、軍事費をはじめ無駄遣いにメスを入れ、大企業・大資産家にもうけ相応の負担を求めることでまかなえると主張しています。

 志位和夫委員長は五日の記者会見で「消費税増税を許さない国民的たたかいを起こすことを心から呼びかけたい」と強調しました。



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