2008年10月31日(金)「しんぶん赤旗」
「3年後に消費税増税」
首相、追加経済対策で言明
麻生太郎首相は三十日夕記者会見し、政府・与党の追加経済対策を発表しました。二兆円規模の「給付金」支給などを売り物にしていますが、首相は「経済状況を見たうえで、三年後に消費税の引き上げをお願いしたい」と明言しました。
日本経済を「全治三年」とする麻生首相は、今後三年は減税を先行するとしました。そのうえで、消費税を含む「税制抜本改革」を二〇一〇年代半ばまでに段階的に実行する方針を表明。景気が「好転」すれば、三年後から消費税率を段階的に引き上げていく考えを明らかにしました。
「減税先行」といっても「給付金」支給は一年限りです。減税のなかには、財界が要望していた設備投資減税、海外子会社の利益の非課税化や一部高額所得者に恩恵が偏る証券優遇税制の三年延長も盛り込まれています。株式の売却益や配当にかかる税率を本来の20%から10%に軽減する措置の延長です。これらの大企業・大資産家減税の穴埋めを、三年後からの消費税増税に求めることになります。
麻生首相は、記者会見で米国発の金融危機について「百年に一度の暴風雨」とし、「生活者の不安を取り除く」と述べました。しかし、大企業の期間従業員の雇い止めなどのリストラや下請け単価切り下げ、大銀行の貸し渋り・貸しはがしへの有効な対策はありませんでした。
大企業減税のほか、金融機関への公的資金注入枠の拡大や銀行保有株の買い取りの検討など、大企業・大銀行救済が優先された対策となっています。
国民に不安押しつけ
志位氏が批判
日本共産党の志位和夫委員長は、首相の会見後、コメントを求められ、「首相は、『何より大事なことは、生活者の暮らしの不安を取り除くことだ』とのべながら、『三年後の消費税増税』を明言した。これは、まさに『暮らしの不安』をおしつけるものであり、きわめて重大だ」「消費税という国民の暮らしをおしつぶす税金の増税を宣言しておいて、どうして『暮らしの不安』がなくなるか。どうして景気が良くなるか」ときびしく批判しました。
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