2008年10月29日(水)「しんぶん赤旗」

メルコスル財務相会議

金融危機の対応協議

各国外相、市場規制求める


 南米南部共同市場(メルコスル)加盟国など南米十カ国の財務相・中央銀行総裁は二十七日、ブラジルの首都ブラジリアで緊急会合を開き、世界的な金融危機への対応策を協議しました。会議は地域統合や域内貿易の促進を目指す宣言を発表しました。


 会議はアルゼンチン政府の要請を受けて急きょ開催。宣言は、南米諸国が金融危機を乗り越えて経済成長を維持するために、「地域統合の進展、域内の貿易関係と金融協力を強化すること」を確認しました。

 ロイター通信などの報道によると、国際通貨基金(IMF)の改革は特に議題にならなかったといいます。しかし終了後の会見で、会議に同席した各国外相は市場の規制や国際金融体制の改革を求めました。

 アルゼンチンのタイアナ外相は、「現在の金融危機の責任の一部はIMFにある」と指摘。同国政府関係者は「国際的な融資機関への要求」として、「迅速に融資し、官僚的な手続きを求めないこと」「融資にあたって不況や失業をもたらす構造調整政策を押し付けないこと」を挙げました。

 ブラジルのアモリン外相は、各国代表が「国際金融体制の大幅で広範な改革の必要性」「市場の適切な規制の重要性」を議論したと紹介しました。

 ベネズエラのマドゥロ外相は、「南米地域の金融システムの戦略が議論された」と強調。「六十年にわたるドル支配の危機に対処し、南米共通通貨の基礎になる通貨メカニズムに向けた制度を確立しなければならない」と語りました。


 南部共同市場(メルコスル) 関税同盟として一九九五年に発足。現加盟国はアルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイ、ブラジル、ベネズエラ。準加盟国はチリ、ボリビア(正式加盟を表明)、ペルー、コロンビア、エクアドル。米国がすすめる米州自由貿易地域(FTAA)構想への反発が強まる中、エネルギー網の構築や社会分野の協力を含め、南米で地域統合の核として位置づけられるようになっています。



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