2008年10月28日(火)「しんぶん赤旗」
金融機関の自己責任で対応させることが重要
政府の「市場安定化策」
市田書記局長が会見
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麻生太郎首相は二十七日、中川昭一財務・金融相らに株価急落を受けた「市場安定化策」のとりまとめを指示しました。日本共産党の市田忠義書記局長は同日、国会内での記者会見でこの問題について問われ、「金融機関の自己責任できちんとした対応をするよう迫ることが何より大事だ」と表明しました。
市田氏は「わが党は、一般論として金融危機の回避のため、銀行に一時的に資金を供給することはありうるという立場をとってきたが、仮にそういう場合でも銀行業界の責任で返済するべきだ」と強調しました。そして、「長期的な視野で見れば、金融業界全体には、破綻(はたん)処理や自己資本の焦げ付きにかかるコストを負担する能力が十分にあったことが証明されている」とのべました。
市田氏は、すでに実施された公的資金投入について、「金融業界の責任をあいまいにしたまま巨額の税金が投入されて、本来、金融業界が負担すべきコストまで国民におしつけられ、銀行業界のモラル・ハザード(倫理崩壊)を後押しした」と指摘。さらに、銀行の中小企業への貸し出しは、公的資金が投入されたころの一九九七年三月末と比べ、二〇〇七年十二月には八十九兆円も減少していることをあげ、今回もこの破綻した考えにしがみついている政府の対応を批判しました。
そのうえで、「今、大事なことは、カジノ経済の破綻のツケを中小企業や国民にまわすことをやめさせることだ」と強調。すでに派遣社員や期間社員の首切り、下請け単価の買いたたきや貸し渋り・貸しはがしが深刻化しているとして、「こういうときだからこそ、日本経済の足腰を強くするために、雇用の安定や社会保障の充実、農業や中小企業の支援という、内需中心に経済政策の軸足を切り替えることが大事だ」と述べました。