2008年10月26日(日)「しんぶん赤旗」

金融ルール改革を

欧州首脳が強調 麻生首相ふれず


 【北京=山田俊英】二十四、二十五両日、北京で開かれたアジア欧州会議(ASEM)首脳会合で欧州首脳から国際通貨基金(IMF)の改革や新たな金融のルール確立を求める声が相次ぎました。

 欧州連合(EU)のバローゾ欧州委員長は開会式の演説で「現在の金融危機が実体経済に及ぼす影響を注視し、国際金融システムを改革しなければならない」と訴えました。また、「開かれた市場は大切だが、ルールある市場でなければならない。グローバル化によって、これらの原則、ルールの整備が必要になっている」と強調しました。

 ドイツのメルケル首相は首脳同士の討議の中で「国際的な金融憲法の確立」を呼びかけました。ドイツ首相府によると、同首相がいう「憲法」は「透明性と市場に対する強い監視」が原則です。IMFについては、「世界的な金融システムの安定を監視する」機能を強める必要があると指摘しました。

 首脳会合で採択された金融問題の声明はこうした提案によって、国際金融機関の改革や市場に対する規制を盛り込んだものになりました。十一月にワシントンで開かれるG20(主要二十カ国)首脳会議の討議にもこの合意が反映されることになります。

 麻生太郎首相からは、IMF改革や規制強化の発言が聞かれません。メルケル首相との会談では一九九〇年代、大銀行に公的資金を投入した経験を披露し、「ブッシュ米大統領にも公的資金投入を進言した」と語りました。日本を手本にせよとの主張です。

 九〇年代の日本の公的資金投入は「税金による大銀行救済」「金融機関のモラルをなくす」として国民から強い批判を浴びました。いま米国でも国民の間に根強い反対があります。



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