2008年10月24日(金)「しんぶん赤旗」
海自いじめ自殺
謝罪と再発防止を
両親が防衛省に要請
海上自衛隊員の息子を護衛艦「さわぎり」でのいじめで自殺に追い込まれた両親が二十三日、防衛省に謝罪と再発防止を要請しました。
両親は「自殺は上官による違法な言動が原因」として国に損害賠償と謝罪を求めて提訴。今年八月に福岡高等裁判所が「上官の言動は指導の域を超える違法な行為」と国の安全配慮義務違反と認め、国も控訴を断念、原告勝訴が確定しています。
要請には防衛省の渡部厚人事教育局長、海上自衛隊の泉三省人事教育部長が応対しました。
要請で母親は、「裁判はお金ではなく、自分の息子の命はなんだったのかを自衛隊に真剣に考えてほしい、二度と同じようなことがおきないよう対応してほしいからです」と訴え、謝罪と具体的な再発防止策についての回答を求めました。
母親はこの中で海上自衛隊の特殊部隊「特別警備隊」養成課程の三曹が十五人の隊員との「格闘技訓練」で死亡した事件にもふれ「防衛省は『はなむけ』であり暴行ではないとしていますが、あれは一般社会では明らかな暴行であり殺人事件ともいえる。亡くなった三曹の両親に代わってお願いしたい。息子の判決を受け止め子どもの命に代わる誠実な答えをだしてほしい」と何度も言葉をつまらせながら訴えました。
渡部人事教育局長は「大事な息子さん、隊員を失った悲しみを共有している。申しわけないということを言いたい。ご両親の意見を今後の対策の参考にしたい」と述べました。