2008年10月24日(金)「しんぶん赤旗」
アフガンでの米軍作戦
外相「詳細、承知していない」
「アフガニスタンにおけるOEF(『不朽の自由作戦』=『対テロ』戦争)とかISAF(国際治安支援部隊)の活動の詳細を承知していない」
二十三日の参院外交防衛委員会で、中曽根弘文外相は民主党の犬塚直史議員の質問にこう答えました。
同相は続けて、「(アフガン本土で自衛隊の)活動について検討する場合には、当然のことながら現地の事情等も十分に承知しなければならない」と答弁。つまり、インド洋での給油活動をやっている限りは、アフガンで米軍がどんな軍事活動をしていてもお構いなし、知る必要もないという驚くべき態度です。
中曽根外相は二十日の衆院テロ特別委員会で、日本共産党の赤嶺政賢議員に対し、「民間人が少しでも犠牲にならないように、米軍もNATOも協議しながら努力している」と述べました。
しかし、具体的な軍事活動を「承知していない」のに、どうしてそんなことを断言できるのでしょうか。
さらに、二十三日の同委員会で、中曽根外相は「(OEFは)国際法上、武力行使にはあたらない」と米軍を擁護しました。
赤嶺氏は十七日の質疑で、米軍ヘリが七月にアフガン東部で結婚式場を空爆し、新婦や女性、子どもを含む数十人の死者が出たことを示しました。この追及を受け外相は二十日、今年一―八月で空爆による民間人の死者は三百九十五人にのぼると答弁しました。
これだけの民間人死者を認めながら、武力行使ではないと言いはるとは―。戦争の実態を知ろうともしないうえ、黒を白と言いくるめるものにほかなりません。
そこにあるのは、アメリカの要求とあれば、とにもかくにも自衛隊を派兵するという、主体性を失い思考停止状態に陥った日本政府の姿です。(小林拓也)