2008年10月23日(木)「しんぶん赤旗」

夏の北極海 氷消える

WWF警告 早ければ5年後に


 世界自然保護基金(WWF)は二十一日、地球温暖化が加速し、北極海の海氷が二〇一三―四〇年に、夏には完全に消失する恐れがあるとの報告書を公表しました。WWFは、北極海の海氷消失は過去百万年以上にわたって見られなかった現象だとし、欧州連合(EU)に対し、二〇年までに温室効果ガスを一九九〇年水準の20%削減するという現目標を少なくとも30%に引き上げるよう求めました。

 報告書はこの海氷の消失は、昨年発表された国連「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)第四次統合報告より三十年以上早く進んでいると警告。これは海氷面の縮小で海水面が拡大し、太陽光の吸収が増えて海温が上昇、海氷消失が加速されるという循環メカニズムがIPCC報告では過小評価されたためだと指摘しています。

 WWF報告はこのほか、温暖化で世界の穀物生産が年間約四千万トン(約五千億円相当)減産しているなどの食料、保健、気象などへの影響についても指摘しています。



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