2008年10月22日(水)「しんぶん赤旗」
じん肺・アスベスト被害なくせ
全国キャラバンが国会請願
「じん肺、アスベスト被害、すべての労災職業病をなくそう」の声が国会周辺に響きました―。一日からすべての都道府県で取り組まれてきた「なくせじん肺全国キャラバン」のまとめのデモと国会請願が二十一日、都内で開かれ約二百人が参加しました。
日比谷公園からのデモ行進に先立ち、首都圏建設アスベスト訴訟事務局次長の三宅一也さんがあいさつ。「建設労働者のアスベスト汚染はこれから発症してくる。また解体作業での新たな汚染も心配されるのに、国は建設現場での粉じん制限基準を持っていない」と批判しました。
参加者は国会にむけてデモ行進。じん肺根絶を求める意見書が三十三都道府県議会、七百四十八市区町村議会で採択されていることなどを市民にアピールしました。
衆議院と参議院の議員面会所前で国会議員にじん肺根絶の署名を手渡しました。日本共産党から笠井亮、こくた恵二、塩川てつや、高橋ちづ子の各衆院議員、井上哲士、紙智子、大門実紀史、仁比聡平の各参院議員が参加者を激励しました。
福岡から参加した男性(73)は「筑豊の炭鉱で『お国のために頑張れ』といわれて働き続け、じん肺になった。国は被害をなくすための対策をしっかりしてほしい」と話していました。
じん肺 粉じんや石綿(アスベスト)を長期間吸うことによって起きる肺疾患の総称。炭鉱、トンネル工事、建築などの仕事に従事する人に多くみられます。治療の決め手がなく対症療法に限られます。全国トンネルじん肺根絶訴訟など十件が企業・国の責任と賠償を求めて係属中です。その原告数は千四百五十五人。