2008年10月22日(水)「しんぶん赤旗」
保育直接契約に反論
厚労省検討会で事業者側
保育制度改変を議論する厚生労働省の保育事業者検討会(座長=岩渕勝好東北福祉大教授)が二十一日、二回目の会合を開きました。
冒頭、椋野美智子委員(大分大教授)が「待機児解消のためサービス量を早急に拡大するには、介護保険のような直接契約・利用者補助が有効ではないか」と提起。これに対し、保育団体側からは「現行制度の改善で一層の拡充は可能だ。直接契約の介護保険制度でも施設入所の待機者はいるし、職員の労働条件低下や人材確保難も進んでいる。財政の大幅な投入こそが必要だ」(全国私立保育園連盟の木原克美常務理事)、「直接契約になると入所時の自治体の関与がなくなり、保育の必要度の高い子どもに保育が保障できなくなる恐れがある」(全国保育協議会の西田泰明副会長)、「待機児がいるのは全国で八十数都市だ。その解消の方策と、全国的な保育制度の見直しとは別問題ではないか」(日本保育協会の坂崎隆浩氏)など、反論が出されました。
岩渕座長は「多様化する保育ニーズに認可保育所が応じきれていない面もあるのではないか」と述べ、引き続き議論することになりました。