2008年10月22日(水)「しんぶん赤旗」
原油高 障害者施設を直撃
訪問減・弁当持参… 83%「持ち出し増」
支援低下の実態深刻
きょうされん調査
原油高騰によるガソリンや原材料費の値上げが、障害者施設や作業所に深刻な影響を与えていることが二十一日、全国千九百の作業所・施設でつくる「きょうされん」の調査でわかりました。
原油高騰の緊急調査は、八月一日―九月十一日に行い、昨年と今年の七月の経費などを比較したもの。「きょうされん」加盟の三百七十一施設・作業所が回答しました。
ガソリン・軽油代については、回答のあった三百十九施設のうち89%の二百八十四カ所が「増額」と回答。増額した施設の平均額は昨年七月に比べ今年七月は約40%上昇しました。
ガソリン代高騰による影響があったと回答した二百五十七カ所のうち、利用者に負担を増やしたのは二十カ所8%、障害者自立支援法ですでに重い負担を受けている施設利用者や家族には負担を増やせず、施設の持ち出し増は二百十三カ所83%にのぼります。「相談の訪問回数を減らす。ケア会議等なるべく自転車で移動する」(大阪府)などの声が出ています。「きょうされん」は「訪問活動や利用者のレクリエーションなど支援の低下が避けられない事態に陥っている」と指摘します。
クリーニング作業や食品加工など作業に関する燃料費が増えた作業所は、回答した百十九施設のうち、81%の九十六カ所。一カ所あたりの増額は三万千四百九十円、平均増額率は53%でした。
小麦粉や大豆など原材料費が増えたのは、回答のあった百二十四カ所のうち、70%の八十七カ所。一カ所あたり月平均五万七千八百九十六円で26%の平均増額率です。
「チラシを毎日チェックし、特売の砂糖や小麦粉をみつけている」(北海道)、「利用者の文化的活動、学習時間を減らし、生産にあてている」(神奈川県)などの声も。
調理費増で、利用者への食事提供をやめ、弁当に切り替えた施設もあります。
|
■関連キーワード